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ちょっと引き締めて!
うーんと、今日も忙しかったけど、身体が言うことが聞かなくて、ちょっときつかった。
お天気は良い。

昨日、息子の学校まで、例の携帯事件で、携帯をとりに行った際、近所のショッピングセンターまで足を伸ばしてしまい、なぜかサンダルを二足買う。
お金はどうするつもりなんだろ、アタシ。

で、二つともベージュのヌバックで、単にかかとの高さが違うといった程度。
しかも、春のうちにSchollから出ていた、木製のサンダルのゴールドを新しいモデルなので、高い金を出して買っておいた。
それなのに、またこの二足とも今流行の木製。

私は、毎年毎年、飽きずにサンダルを買い続ける。
去年もたくさんのサンダルを買った。
考えてみれば、ベルリンは、というかアタシの住むベルリンは、石畳が多い。
何しろ靴が傷む。
冬のようなブーツやズックの場合、あまり痛みは感じないが、サンダルの時は、すぐに裏のゴム地がぺらっと取れていたりする。
気がつくのは、大体ショッピング中に、気取ってつるつるする床を歩いている時。
向こう側から、良い格好をした男が歩いて来た時に限って、つるんとすべる。
赤面しながら、「なんだよまったくよぉ!」などと悪態をついて裏を見ると、大体革のソールだけになっているのだ。

さらに、夏は靴を選ぶようなカラフルな格好をするじゃないですか。

何でもいいのだ。結局散財して、気分が良くなった。
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その後、夕方は娘のバイオリンのピアノあわせだった。火曜日に発表会がある。
九月には、また奨学金の更新試験が待っている。
そのプログラムも着々と決まりつつある。
音階、アルペジオ、和音など。
ヴィルトゥオーゾなエチュード一曲。
コンチェルトから一楽章選出。
といった感じになるだろう。

そのうち、Jenkinsのエチュードが決まって、それを火曜日に弾くのだ。
もう一曲、ツィゴイネル風ロシアファンタジーロマンス一曲ハおまけで弾く。

ピアノ伴奏者が、公立音楽教室でも一番うまいと噂される、ロシア女史に決定。
先生が、試験やコンクールになると、この方をあてがってくださる。うまいけど、厳しい、血が熱い。
娘は、トロイ、血が騒がない、消極的、身体が硬いと来ている。
ツィゴイネルの曲なんか伴奏してもらった折には、もう叫ばれまくりでしたよ。
あなた!!何を考えて弾いているの!これジプシーの音楽なんだからね!!もう熱いのよあの人たち!もっと自分で音楽を作って!ストラクチャはどこ???出だしのジェスチャーが甘い!ジェスチャーは次にでる音楽のフレーズと同じキャラクターを出さないと!!

おっしゃることは、ずべて正しい。すべて娘に欠けている。
「ハイ、ハイ」
と言いながら、わたしの娘は、影でチッ!ウッセーナー!という顔をしているではないか!!!!ずーずーしいにも程があるわよ、アアタ!

でも、ピアノの先生も負けない。
「ハイ、ハイ、ハイ、って、それなに?わかってんならちゃんとやってチョーダイ!」
怖いですな。
当然でしょうが、娘よ!

だけど、私は知らない間に、私が留守をしている間に、彼女の技巧がすっごく上達していたので
驚いた。
何たるテンポ、何たる音程。
なかなかよろしいではないか!
先生も、テクニックはそろっているんだから!弾けるんでしょ!もっと音楽してよ!
と言われっぱなし。

「楽器って、身体の一部になるまでに時間がかかる。
やはり、相当練習して、自分の腕のように自由に扱えるには、まだ時間がかかるように思えますね。情感の激しい性質を持っていても、それを楽器を身体の一部として扱うことで、自分の音楽として出していくには、技巧への信頼がないとやはり難しい。その辺が、彼女にはまだない。」

私も、親ですから、「どう思う?」なんて女史に聞かれて、こう子供をフォローしたわけですよ。
ところが、
「激しい性質があるなんて、全然見えないけど?あるわけ?」と聞き返された。

厳しい人は、自分にも厳しいから、うまいです。
彼女が、プローべの時に、技術ができていないのにトコトコやってくる子は、相手にしないのも知っています。娘はその段階はクリアした。仕上げて持っていっている。
ところが、それだからこそか、彼女の要求が止むことはない。
音大じゃああるまいし、と思ったけど、まあ、音大に行く人のコースにいる娘なわけだから、これも仕方ない。

私なんか、泣いてしまうところだけど、娘は始終しらけ通し。
この女は、無神経なのか、図太いのか、全然わからない。
プローべが終わったあと、私は、
「また嘘ついた!ママは今回は黙っているといっていたのに、また無駄口たたいてさ!
アタシの楽器が身体の一部じゃないとか何とか、ぺらぺらどうでもいいこと言ってさ!」
超ご機嫌悪し。
どうも、音楽の先生とは仲良くなっちゃって、すぐ無駄口を叩く私。仕方ないじゃん。

でも、娘がなかなか上達していたのでちょっと嬉しかった。
私がいない間に、やはりさらっていたのか、あいつ…。

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今日、仕事の後、やはりビールをぐい飲みした。
まだ明るい六時ごろ、外に座って一人でグイットやるビールはうまい。
子供達に、ママはもう下に着いて、一人でビール飲んでから上に行くからね、と電話を入れておく。
大体五人ぐらい知り合いが通り過ぎていく。
今日は、知り合いBと共に、三十分ぐらい飲んだ。

ああ、サラリーマンな、オヤジな生活。

でも、一人が嬉しい。
夫から、今度はいつスカイプしようかと催促が来た。
もう一ヶ月ぐらいスカイプしていないじゃん。
というか、そのメールにも答えていない。
気がないのではない。
そうではなくて、時間がないのだ。
というか、気もないのかもしれない。

いつぞやは、毎日今日の予定と称してメールして。
そうしたら、いま、あなたがどこで何をしているか想像出来るし。
などと催促したのは私だった。
今度は、夫が催促している。
しかし、夫は誰を蹴落としても、傷つけても、踏み倒しても、自分のやりたいようにしかしない人だ。
私がちょっとやそっと外をふらついて、連絡を途切れさせたぐらいでとやかく言うヤツではない。
というか、資格はないだろう!
そういう人に、いつも何かを要求しても、自分にあまりかえってくることはない。
いっそのこと、自分の方も、自分中心に生きた方が、百倍ことがうまく運ぶ。
しかし、寂しさはない。

もう好い加減大人だ。
これで良いと思う。
あんまり考え込まないで、私も好きにやれば良い。
自分達の生活や関係を危機に陥れないという約束事をしっかりと尊重し守り通す限り、この際それ以上の要求は、夫にするつもりも無い。
よって、私にもそれは許されるはずだ。

遠距離が、こういう自分の展開になるとは思わなかった。
_____________

哲学者に知り合った。
長いこと話し込んだ。
共通点が色々見つかった。

彼女と別れたばかりだという。しかし、意外にもあまり苦しまずに生きているらしい。
ことは、彼女の有能さでも、彼女のモダンさでも、彼女の勝手さでも、またその逆に彼の法に問題があったわけでもないらしい。

存在危機の問題。
その一言で説明された。

いわゆる…。
お金を稼いでいないのです。
お互いにか、彼が稼いでいないのかはわからない。

要するに、二人で築くより前に、自立で来ていないということだ。
悲しいな。これは痛い。

だけど、うちの夫だって似たようなもんだし、私たちだってそうやって赤ん坊のハイハイ大会みたいにして始めた。
未だに自立とか、築いていくとか、そんな段階だとも思えない。

とにかく、エラク気があった。

最初から目がちかちかするほど、視線が合った。

私に、ワインだの、野菜だの色々持ってきてくれた。
でも酷くシャイな人だ。

靴を見たり、シャツを見て、すこぶる徹底して良いチーズを集めている店を見つけて、狂喜しているという話から、私はこだわりの大きい、難しい男だと見た。

それは当たっていると思う。
何を考えているか、本当のところはわからない。
哲学者と言っても、数学の応用に哲学を使うほどのヤツなので、自然科学系だろう。
物理にするか、哲学にするかで迷ったというので、らしい。

かなり気に入ったし、趣味も話も調子もあったけれど、この典型的ドイツ型男性脳インテリ型が自分に及ぼす影響を考えたら、一夜で興ざめした。
私も大人になったと思う。
昔だったら、後先考えないで突っ走って、結局恥をかくか、傷ついたろうな。
その辺、私でも考えたり立ち止まるようになったのだ。

というか、私の精神状態はふらふらしているという事実が恐ろしい。
このままだと、欲求不満なババアと言われてお終いになりそうである。
そうならないように、節度を保ちましょう。
しかし、最近世間には、節度のない男ばかりなので、こちらばかりが悪いと言うわけでもない。

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そう言えば、今日も職場で、終わったのでルンルン気分でレッスン室の鍵を返しに行ったら、
「うわああ、Momidoriが来た。もう終わり?」
「そう、今日は二人も最後の生徒が来ないのよ!」
そこにいた同僚その2が、
「そりゃあ羨ましいぜ…」
とひくーい声でつぶやく。
最初の同僚曰く、
「Momidoriの場合は、毎回何時に終わるのかわかんないんだよね。」
私の顔を見ながら、突き刺さるような皮肉な笑みを浮かべている。
「それはどういう意味?アタシがこの間六時半にくるはずの新しい生徒を忘れて帰っちゃったから?それに、この間、アタシが断ったはずの生徒が、突然来てしまって、レッスンがなくなったのを知らないと言ったからか?
結局、アタシがどうしようもなく、めちゃくちゃな性格と言いたいのかしら?」
「ウシシ、僕だってめちゃくちゃな性格ってことなら、競争できるなあ」
だってさ。
頭に来た。
私が忘れたり、私の生徒がに連絡が届いていなかったのは、君が連絡不行き届きだからジャン!

この辺の、責任転嫁の芸術と、そのくせそれにちなんだ嫌味を言えるあたりの厚かましさが、ベルリンだと思った。

アタシもそうなりつつあるのか。

ちょっと、いろんな意味で、私は心ここにあらずなのか。

太陽のせいだ。

そう考えると、カミュって作家は、鋭い。
太陽が人を狂わせる。その光の特別さは、もちろん南仏ではもっと実感できるだろうが、同じヨーローッパにいるだけで、太陽の光=狂喜、発狂という縮図もわからなくもない。

私も発狂まで行かないように、ちょっとひきしめていこうと思う。
by momidori | 2008-06-06 07:08 | 巡る思考
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