昨夜、非常に嫌なことがあった。自分にエネルギーがあるのはわかっているけど、それに立ちはだかる問題に、見事に負けそうになった。
なんか、悪魔と対決しているエクソシストの神父と言った心境で、それほど昨夜の苦しみは、逃げようも無ければ、勝ち目も無いものだった。 心がふらふらになったので、日本時間の七時半、夫が家をでる前に捕まえようと思って電話したら、見事にぶちきられた。 フムフム。 まあ、それは早く処置を取った方が良いよ。 じゃあ、もう行かなきゃ。 わかってるけど…(心細くなる私。邪魔をしたと言う、さらに邪魔にされたと言う罪の意識でいっぱいの私) そんな風になるなよ。こっちに罪の意識着せるなよ。 じゃあ。 それで、ツーッ、ツーッ、ツーッです。 なんか、大丈夫。僕が付いているから、絶対に午後に電話するよ。元気出して。ダメになったらいつでも電話してね。 今まで、どんな男でも、これぐらいのことはいってくれた気がする。 まあ、身内のことはわるく言いたくない。 彼にそれが出来ないのは、もうわかっているんだから。 でも、ことごとく、自分の運命が突きつける課題に、目をむいている。 どこでどうあがいても、一人っきりで切り抜けるしかなさそうだ。 私は、結婚しようが、健康で愛情ぶかい親がいようが、そういう恩恵には与れないらしい。 どんな難題も、一人っきりでにっちもさっちも行かない時にしかやってこない。 ヨブの気分である。 でも、昨日のすさまじい出来事と、その後の夫の冷徹な対応で、私の覚悟は決まった。 寂しいから、人恋しいから、辛すぎるから、もう立ち上がれないからと、いちいち夫に頼っても何にももらえない。頼れば、必ず逃げられる。それはもうパターン化している。 いっそのこと、一人で生きている、母子家庭で、離婚女性で、すべてを切り盛りしていると考えれば、夫など頼ることなどありえないのだ。そんな人はいないと思っておいたほうが間違えない。 その覚悟が決まった。 さらに、今朝、昨日の出来事の辛さを抱えたまま、車で出かけると、学生時代によく聞いたコンチェルトが聞こえて来た。ハイドンの弟子のプレイエルのものだ。 長年聞いていなかったメロディーに襲われて、涙がほろほろ出てきた。 音楽を聴いたときの涙って、悲しみとはまったく関係ない。人には見えない心の心臓をぎゅっと握り締められたような鋭さで、私の感性を揺さぶる。 ものすごく魂の高揚と深い満足を覚えた。 これが無いと、魂が枯れる。 私は死んだようなもの。 子供を教えるのは、メソッドで、高い芸術性とは関係ない。 私は音楽学をやりながら、だらだらと音楽をこねくり回していないと死ぬだろうと思った。 死ぬほど辛いことがあるから、どんなに忙しくても、倒れそうになっても、そういうときこそ音楽と密接につながっていないと、私は完全に枯れる。 そういう気づきを突然もらった。 その後、私は今日新しいお友達とブランチをして、それが思いもよらず素晴らしい出会いだったので、本当はボロボロなはずなのに、心躍る気分である。 夫なんてもう頼りたくも無い。 それだけ近しくても、わからないものはわからないのだ。 それを責める気はないけど、私は一人だと腹を決め込んだほうが、俄然強くなって本領発揮となる。 もう人なんか当てにしない。 まるで乳飲み子を抱えて家を飛び出して来た、あの頃の心境である。 絶対に大丈夫。 私にそう言ってやるのは、私自身。 もう誰もいない、いらない。 これで、すべては軌道に乗った。 そういう意味で、素晴らしい日だった。 今後、これで私が夫にどのような感情を抱いていくかは、皆目わからない。 でも、いろいろな意味で、私のようにインテンシブに感情も直球で絡めた関係を持ちたくない人もいるのだ。 私の球が受け取れないというもの、わからなくも無い。 だったら、私はどんどん跳んで行ってしまうから、君は何のためにいるのか、それがわからなくなっても仕方ないと思う。 夫は、ちょっと出張のつもりで9ヶ月出たのだが、それが一体私にどんな問題を突きつけ、どのような方向に導いていくのか、夫は何も知らない。 知りたくない人に、いくら肩を叩いても、逃げられるだけである。 逃げられて傷つくよりも、一人でもがいて辛いほうが、今の私には好ましい。 なぜか、深い深い安堵のようなものが心のそこにある。 まあ、この安堵も、二、三日でまた揺れるほどのものなんだけれども。
by momidori
| 2008-04-03 01:33
| 巡る思考
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